ウスバフユシャク
Inurois fletcheri Inoue, 1954
成虫が冬にだけ活動するフユシャクの仲間である.
そんなフユシャクの中で一番目にするのはこのウスバフユシャクだと思う.
僕が交尾を見た初めてのフユシャクでもある.
1月の日没後,桜並木を車で走るとヘッドライトにチラチラ舞う蛾が照らされる.
大概はこのウスバフユシャクの♂だ.
いろんなバリエーションがあって面白いが,おかげで同定に困ることもしばしばある.
その辺の公園でもよく観察できる.関東平地だと12~2月くらいだろうか.
近所で「花見の名所」とされてるところがあったらそこは「ウスバフユシャクの名所」でもある.
花見のシーズン前に夜の公園で真冬の恋物語を観察するのも一興だ.
寒冷地だと11月の半ばごろに発生している.
メスは羽がなくて単体だとなかなか見つからない.
コーリング中の♀を発見したので追記する(20130220)
尾端から生殖器を露出し,性フェロモンを放出. ♂を呼んでいる真っ最中だ.
【成虫♀写真】20110219 埼玉県
交尾中の個体を偽木の杭で発見. サクラのそばにある杭を探すとよく見つかる.
ピーク時にはひとつの杭に3ペアとか張り付いてる. ラブホ状態だ.
交尾は日没後,大体19時頃に見ることが多い.
種小名はfletcheri (フレチェリ).
フレッチャーという人への献名だと思う.軽く検索した程度ではわからなかった.
埼玉でも多くの記録があるだろうと思いきや6カ所しか記録されてない.
記録してないだけだろう.奥秩父では12月初旬に発生を確認している.(2012)
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