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2012年5月

【0054】ハンノキリガ
Lithophane ustulata

よく植物の名前が和名につく蛾がいる。

往々にして幼虫時代の食草がその植物でそこから由来している和名だ。
(たとえばキリガなら【スモモキリガ】とか)


そんな先入観からこのハンノキリガはハンノキが食草だと思っていた。

しかも初めて見たのはハンノキで有名な公園。

しかしハンノキリガの食草は「カシワ・コナラ・ミズナラ」である。※日本産蛾類標準図鑑より


果たしてハンノキリガのハンノとは一体なんなのだろう・・・

Sp4133545
 20120413山梨県<標高1000m> 

【シロクビキリガ】に若干似ているが、シロクビは一回り大きく長い印象がある。
腎状紋の内部が赤くなってるのもシロクビの特徴だ。

【カシワキボシキリガ】にも似ているという記述をよく見るが、僕個人はあまり似てるとは思わない。
個体によっては似てくるのだろう。

そういえば以前記事にしたカシワキボシと同じところで撮影している。
並べて比較すればよかったと後悔。



memo.....
ヤガ科 キリガ亜科に分類され、秋に出現しそのまま成虫越冬。5月くらいまで見られます。
山地にも平地にも生息しており、糖蜜にやってきます。
しかし飛来数は少な、く大量にはやってこない印象です。

以下記録
S200903050037 S110521
 20090305埼玉県さいたま市桜区<標高10m>        20110521北佐久郡軽井沢町長倉(小瀬)<標高1290m>

【0053】フタマタフユエダシャク
Larerannis filipjevi

フユエダシャクのラレランニス最後の刺客、とでもいうべき種だろうか。

11月下旬、【ウスオビフユエダシャク】から始まるラレランニスは4月に入ってフタマタフユエダシャクで発生を終えるフユエダシャクだ。

ウスオビの春版、と言ってもいいのかもしれない。同じような環境で見つかることが多い。

秋にウスオビを見かけた場所へ春行ってみたらフタマタがいた、そんな経験が少なからずある。

S_5
【成虫♂写真】20120417北佐久郡軽井沢町<標高1290m>

♀は羽が短くて飛べない。未見。

-----130411追記--------

再三の探索により、ようやく交尾ペアを発見した。

ブナ?の樹上3m付近で発見。発見時刻は21:30。気温1℃であった。

S
【成虫交尾写真】20130411北佐久郡軽井沢町<標高1200m>

上記ペアが分離した後の♀。近似種【ヒロバフユエダシャク】の♀より白っぽい印象だ。
S_2

持ち帰って観察したところ、昼間は擬死していて全く動かなかった。

活動時間になるとこの姿からは想像できないスピードで移動する。

-----150403追記--------

初遭遇以降、この時期はフタマタの交尾を観察するのが定例行事となってきた。

この日は半径30m以内に12ペアという高密度で交尾を観察することができた。

ピークと思われるので今後の参考の為データ等を書き留めておく。

2015年4月2日(月齢 12.7) ほぼ無風。
20時半に最初の交尾ペアを発見、21時半ごろにピークを迎える。気温は2~4℃。
食樹のミズナラ樹幹の他、カラマツの樹幹でも多く見られたが、細めの樹木では1ペアしか見られなかった。
高さは地上1.5m~5mほど。地上2~3mに多く集中しており発見は容易であったが
脚立を使わないと撮影捕獲は難しいと思われる。
交尾を発見した木には日没後から既に♂が多く張りついており、♀を待っているかのようだった。
20時を過ぎたあたりから♂が樹幹で羽ばたきながら歩いて移動するのが見られるようになり、
♀を迎える準備万端、と言った感じであった。
羽化不全の♂も交尾に成功しており、飛翔能力はあまり必要ないのかもしれない。

S_2
【成虫交尾写真】20150402北佐久郡軽井沢町<標高1200m>


種小名はfilipjevi(フィリピエウィー)ロシアの昆虫学者、Ivan Nikolayevich Filipjev氏(イワン ニコラエビッチ フィリッピェフ)(1889-1940)のことと思われる。

以前は北海道にのみ産すると言われていたが、中部山地帯でも次々と生息地が確認されている。

【0052】エゾミツボシキリガ
Eupsilia transversa transversa

前翅にミッキー紋をあしらった ○○ミツボシキリガ と名がつく蛾は日本で5種確認されている。

北海道にのみ生息する【ヒダカミツボシキリガ】。

どちらかというと南方系の【ミツボシキリガ】【ムラサキミツボシキリガ】

どちらかというと北方系の【カバイロミツボシキリガ】とこのエゾミツボシキリガ。


この北方系二種は関東近辺では山地に生息しており、ちょっと足を伸ばさないと出逢えない蛾だ。

渋めのデザインは一見地味な蛾に見えるがちゃんとミッキー紋が確認できる。

S
20120415北佐久郡軽井沢町長倉(小瀬)<標高1290m>

ミッキー紋ももちろんだが、横に走る直線的な中横線が印象的な種だ。

植樹はシラカンバやコナラ、ズミなど。

種小名はtransversa(トランスウェルサ)。 ラテン語で「横向きに」

上記の中横線のことだろうか?


埼玉では入川林道での二例しか記録がなく、僕も見たことはない。

標本画像
S_2 Sezomitubosi
成虫♂                                      成虫♀ 若干ではあるが触角が細い。

【0051】タマナヤガ
Agrotis ipsilon

世界的に広く分布するモンヤガで、幼虫はカブラヤガと並ぶ大害虫でありネキリムシと呼ばれる。

様々な農作物の根をを食害し、農家の方々からは目の敵にされている蛾だ。


世界的に広く、とは書いたが北海道には生息しないようで寒いところが苦手なようだ。


S_2
20120415群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢<標高1060m>

寒いところが苦手なわりには軽井沢にもいるようだ。

ずっと疑問だったタマナヤガの「タマナ」について調べてみたら「玉菜」=「キャベツ」のことらしい。

そう考えるとキャベツが特産のこの地域にはいてもおかしくない。


一年中成虫が見られ冬の糖蜜にも姿を現す。


種小名はipsilon(イプシロン)。ってあのイプシロンでいいのか?あっちは綴りがEpsilonだがラテン語でipになるのか。

しかし意味が分からないのだが。5番目の、という意味?

埼玉では全域で多くの記録がある。

【0050】マツキリガ
Panolis japonica

春に出現する春キリガである。

羽の赤い模様は他種にはない独特の風合いを醸し出しており、一目でソレと同定できる蛾である。

大陸に近似種がいるがどこが違うのかはあまりわからない・・・

だいたいちょこんと止まって僕らを待っているが、待つキリガではなく松キリガ。

幼虫はマツを食樹としているところからつけられた名前だ。

S
20120413山梨県<標高1050m>


オスは触角にわずかだが毛が生えている。メスは未見。

種小名はjaponica(ヤポニカ)。日本の、という意味である。

埼玉では県西部はもちろん、浦和や与野の記録もある。

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