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2013年2月

【0074】スジモンフユシャク
Alsophiloides acroama

モミに依存したフユシャクである。

よってモミがないと生息しておらず、おのずと生息場所には限りがある。

よく考えると普段の生活圏内にはモミなんてなかなか生えていないものだ。

あっても神社や公園に一本二本。流石にそれでは生息は難しい。


というわけでこのフユシャクに会う為にはモミが多少まとまって生育しているところに行かなくてはいけない。

モミは元来、山の稜線付近に生えている樹木なのでおのずとそういったところへ赴く。


車がなかなか入っていけない場所だ。徒歩で行かなくてはいけない。

このクソ寒い2月に夜の山の中へ入っていくのである。

何の罰ゲームなんだと言いたくなるが仕方がない。

しかしそんな罰ゲーム?を乗り越えた者にだけ、その姿を魅せてくれるのだ。

S
20130226神奈川県愛甲郡清川村<標高562m>

アルソフィラに近いが前翅の形がかなり丸みを帯びている。

とても渋くて味わい深い蛾だ。

Ssujimon
20130226神奈川県愛甲郡清川村<標高562m>

同所で見つけた♀。全くの無翅だ。

アルソフィラやイヌロイスに見られる尾端の毛はこの種にはない。


S_2
20130226神奈川県愛甲郡清川村<標高562m>

交尾画像。初めて見た日に♂♀交尾の画像を撮ることができた。

これはとんでもなくラッキーなことだと思う。

次は埼玉でこの姿を拝んでみたい。


memo.....
シャクガ科 フユシャク亜科に分類されています。
僕はこの一回だけなので2月にしか見たことはありません。
埼玉での記録は「浦和市」の一件だけです。(ホントかよ・・・)

【0073】ムラサキシタバ
Catocala fraxini jezoensis

今更このブログで取り上げるまでもない、人気のカトカラである。

ちょっとググれば様々な昆虫ブログで取り上げられていて人気の高さを窺い知ることができる。

蛾屋なら一度は憧れるカトカラの最上級、カトカリストとでもいうべき種である。



そんな人気のムラサキシタバ、関東近辺の平地ではその姿を見ることはできない。

この蛾に会うためには標高高めの山間部にまで足を伸ばす必要がある。



大きな体躯、美しい後翅、簡単には見られない絶妙なレア度。

ムラサキシタバの人気の高さの秘密はこんなところにあるのかもしれない。




しかし長いドライブを経てようやく出会えたムラサキシタバ。

出会った時、彼らはだいたい翅を閉じている。翅を閉じている時には正直大型で地味な蛾である。
Smurasakisitaba
20111014群馬県利根郡片品村東小川<標高1320m>




うまい具合に脅かすと美しい後翅を魅せてくれるが、やりすぎると飛んで逃げてしまう。

加減が意外と難しいのだ。

だからこそ、その前翅を開き美しい後翅を見せてくれた時の感動は何倍にもなるのだろう。
S_2
20120922群馬県草津町入道沢付近<標高1850m>



こちらはビークマーク(鳥についばまれた痕)のある個体。

ムラサキシタバではよく見かける。鳥に襲われやすいのだろうか?
S
20110918群馬県草津町入道沢付近<標高1850m>





秋の山間部でこの蛾に出会うと少なからず心踊る。

ムラサキシタバはいつになっても初秋のロマンである。


食草はヤマナラシ等のポプラ類。

埼玉では三峰、志賀坂や三国峠で記録がある。

僕自身は八丁峠や中津川沿い、出会いの丘付近でも確認している。


【0072】シロクビキリガ
Lithophane consocia

秋に羽化し、翌年春まで越冬するリトファネ属の中でもかなり大型の種。

【ハンノキリガ】に似ているが、シロクビは一回り大きく、腎状紋の内部が赤くなるのが特徴だ。

幼虫はハンノキを食べるようで、※日本産蛾類標準図鑑より
こちらのほうが ハンノキリガ の名にふさわしいと思ったりもする。

関東では標高の高い所でよく見るイメージが強く、山の蛾、といった印象だが
伊豆諸島や佐渡ヶ島にも分布してるようで特に山地性というわけではないのかもしれない。

S
2012922群馬県草津町草津白根国有林<標高2008m>
♂は触角に微毛が生えている。


S
20131007群馬県吾妻郡嬬恋村干俣<標高1744m>
♀の触角は糸状だ。


しかし、ちょっと画像で見ただけでは触角に違いなどないように見える。
ということで拡大してみた。

S_1

若干ではあるが違いがあるのがわかるかと思う。

これを夜の野外で見つけた時、肉眼で見分けるのは至難の業だ。


memo.....
ヤガ科 キリガ亜科に分類され、秋に羽化。そのまま越冬します。
僕は9月くらいの羽化したてによく見ています。
埼玉でも少ないですが記録があります。

以下記録
S_2
20100915埼玉県秩父市川又<標高717m>

【0071】シロスジキリガ
Lithomoia solidaginis

僕の大好きな北の蛾である。

以前まで北海道にのみ生息してると思われていたが、近年になって本州でも極々一部に生息していることがわかってきた。
中村亮司,1970.シロスジキリガを本州(群馬県)でとる.蛾類通信61:7.

僕が見つけたときは予備知識無しでの初見だったため 

「なんだこれ?モクメキリガの仲間?」と勘違いする始末であった。

家に帰って「うわこれレア種じゃね?」と気付き、慌てて翌週再度採集に出かけた経緯がある。

翅色が白というより銀。とても僕好みの渋い蛾である。

S
【成虫写真】20110918群馬県草津町入道沢付近<標高1850m>

幕には直接飛来せずに近場で止まってることが多い。




そして時間が経つとくるんと丸まってしまう。

キバラモクメキリガ等を思い出していただけるとわかりやすい。

Sp9181251
【成虫写真】20110918群馬県草津町入道沢付近<標高1850m>



普段はこうやって樹皮が裂けたように見える擬態をしてるようだ。
Sp9154662
【成虫写真】20100915群馬県吾妻郡嬬恋村干俣<標高1744m>

初遭遇以来、毎年この蛾に会いに行ってしまう。時期は9月中旬か。とても魅力的な蛾だ。


種小名はsolidaginis(ソリダギニス)。solid=「固体」 aginis=「協力」。転じてくっつく?

木にくっついていることから来た命名かもしれない。

長野県では準絶滅危惧種に指定されている。埼玉では未だに記録されていない。


【0070】イチジクキンウワバ
Chrysodeixis eriosoma

平地から山地まで生息する、普遍的なキンウワバの仲間である。いわゆる「ド普通種」。

別属の【ミツモンキンウワバ】とよく似ているが、外横線の走り方がイチジク~のほうがかなり緩やかだ。

つ○ といった白斑が繋がる個体もいて、一見すると別種に見えてしまう。


S_2
20121013埼玉県秩父市三峰<標高722m>

どうも普通種を撮るときは気合が入ってないのか適当な写真が多い。

今後はこういうことのないようにしていかなくては、と自省しきりである。


memo.....
ヤガ科 キンウワバ亜科に分類され、初夏に出現。
埼玉での記録も多数あります。

【0069】キクキンウワバ
Thysanoplusia intermixta

都市部などでもそれなりに見ることが出来るキンウワバだ。

北海道から沖縄まで、平地から山地まで幅広く生息している。


そんなド普通種と言って良い種だが、翅色が光沢を持ち黄金色に輝きとても美しい。

残念ながら写真に撮ってしまうと光沢が消えてしまいその良さが半減してしまう。

しかも「ド普通種」という印象が強いためか、逆に中々写真を撮っていない種だ。


Sp9181228
20110918群馬県吾妻郡草津町入道沢<標高1776m>

この写真もあまり良い写真とも言えない。

次回出会ったときはもう少し腰を据えて光沢が表現できるように撮ってみようと思う。

【キクギンウワバ】という似たような名前の種がいるが、全く違う翅色。似てるのは名前だけだ。


memo.....
ヤガ科 キンウワバ亜科に分類されています。
春先から秋遅くまで見られる普通種です。
その名の通りキク科の植物を食草としていますが、他にもたくさんの植物を食草としており、かなり広食性のようです。
もちろん埼玉でもたくさんの記録があります。

以下記録
S
20121013埼玉県秩父市三峰<標高722m>

【0068】ニシキキンウワバ
Acanthoplusia ichinosei

桃色の横線がとても印象的なキンウワバの仲間だ。

ニシキという名前がしっくりくる豪華絢爛な翅は一度見たら忘れられない。


しかし優雅なその姿名前に似合わず、幼虫はゴボウを食害してるらしい。(まぁキンウワバって害虫多いけど)

高貴な令嬢の好物が実はゴボウなんです、といった感じでイメージと違って面白い。


僕自身は山奥でしか見たことがないが、食草も食草なので市街地にも記録はあるようだ。


S
20121013埼玉県秩父市三峰<標高722m>

この日はキンウワバが多かったが、ニシキは1頭のみ。

何回かライトトラップに飛んできたことはあるが、たくさん飛んでくる、という印象はない。

※20130904 学名を修正
以前は学名がCtenoplusia ichinosei だったのだが
現在は Acanthoplusia ichinosei に変更となっている。


memo.....
ヤガ科 キンウワバ亜科に分類され、年2化。
僕は10月の秋の蛾を狙ってる時によく見る印象です。
埼玉では都市部から山地まで広く記録があります。

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