ウスミミモンキリガ
Eupsilia contracta (Butler, 1878)
ハンノキに依存したキリガの仲間である。
埼玉県では以前から準絶滅危惧(NT)に指定されていた種だ。
2012年に改定した環境省RDBにも新たに準絶滅危惧(NT)として指定された希少種である。
と言いたいところだが。
幸い僕の家からは30分ほど車を走らせると、大規模なハンノキ林が姿を現す。
その林で糖蜜採集を行えば、すぐに大量の本種がやってくる。
正直希少種の雰囲気など微塵も感じさせない飛来っぷりで全飛来キリガの7割くらいを占める。
【成虫♂写真】20130307 埼玉県
他のキリガと同じように、オスのほうが微妙に触角が毛深い。
同所で得られた♀はこちら。
若干、触角が細めなのがわかると思う。
しかしこれを現地で見極めるのは至難の業だ。
写真に撮ってよく見てみないとわからない程度の差である。
ハンノキ依存種は生息環境が限られている。
同じようなハンノキ依存の【オナガミズアオ】や【ユキムカエフユシャク】も中々見ることができない蛾だ。
河川敷のハンノキ林が不必要な開発によって減少しないことを祈るばかりだ。
種小名はcontracta(コントラクタ)。ラテン語で「契約」の意があるようだが相関は不明。
ハンノキの単食性ということが関係してるのか。。。
越冬前の個体。越冬後より茶色が濃く新鮮なのがわかるかと思う。
オスのゲニタリア
ウスミミモンキリガ Eupsilia contracta Male genitalia
埼玉県 Feb. 12,2021/Masahiro IIMORI leg.(IMC00214)
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