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アルプスヤガ 
Xestia speciosa ussurica Kononenko,1984


高山蛾、と呼ばれる一群がいる。本州では標高2000m以上にのみ生息する蛾の総称である。


 

 

いくら現代の道路網が発達していようとも標高2000mを超える道路というのは数少ない。

 

そしてマイカー規制により、一般人が通れる道路はより少なくなっていく。

 

高山蛾に会うのは至難の業である。

 

 

そんな数少ないポイントでも生息している場所とは限らないのがまた困りものだ。

 

だからこそ高山蛾にはロマンを感じざるを得ないのであるが。

 

S

 

世俗を離れたところに棲む美しい蛾。この蛾に逢う為に毎年夏は高地でライトトラップを敢行してしまう。

 

S

僕の経験では点灯後3時間で飛んでくることが多い。もちろんすぐそばにいればすぐ飛んでくるのだろうが。

 

幕には止まらず地面を走り回る。石の下等に潜ることが好きなので、見つけたらすぐに確保しないとスレてしまう。

 

 

 

このアルプスヤガ、産地によって微妙に翅色、翅形が違うようだ。

 

乗鞍産になると茶色味を帯びるという。そちらも是非見てみたい。

乗鞍ではないが茶色味の強い個体を見ることができた。
P8020531

 

北海道でも採集することができた。
薄い印象を受けたが、複数飛んできてこういった色のものはひとつだけであった。

220721

 

 

至難の業、とは書いたが車で行ける場所で出会えるこの蛾は高山蛾の中ではビギナー向けであろう。

 

僕もいつかは登山でしか出会えない蛾にチャレンジするのだろうか・・・

 

 

幼虫はツツジ科のコケモモ、エゾノツガザクラといった植物を食べて育つ。

 

種小名はspeciosa(スペキオサ) ラテン語で「美しい」。ド直球の命名。

この美しさは世界共通のようだ。

 

 

埼玉でも甲武信岳で記録がある。埼玉では本格的に登山をしないと逢えないだろう。

 

Imc00168

アルプスヤガ Xestia speciosa ussurica Female

山梨県 Aug. 12,2020/Masahiro IIMORI leg.(IMC00168)

220727 220727_20220817004301

アルプスヤガXestia speciosa ussurica Male genitalia

北海道 Jul.27,2022/Masahiro IIMORI leg.(IMC00XXX)

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