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【0128】シロモンアカガネヨトウ
Valeria dilutiapicata splendida

黒を基調とした前翅に白い紋が目立つ春のヤガだ。

関東近辺では食草のハルニレが生えている標高が高めのところに見ることができる。

生息地でライトを灯せば多数の個体が飛んでくるので珍品とまではいかないが、比較的出逢うのが難しい。

他にもハルニレを食草とする【シロスジシャチホコ】【ハイイロハガタヨトウ】なども私的遭遇率は低い。

シロモンアカガネは発生時期が短いというのも出逢いづらさに拍車をかけている。


S
【成虫♂写真】20140426利根郡片品村<標高1180m>

水墨画のような黒の濃淡に目立つ白い紋とチラリと覗く純白の後翅のコントラストが堪らない。

一見地味に見えるかもしれないが、非常に美しい蛾であると断言する。

Ssiromonakagane_2
【成虫♂写真】20170503<標高1400m>

こちらの個体は白紋が薄くなっている。ほとんど見られないタイプだ。

異常型というわけではなさそうで、何度か見たことがある。

白紋が主張しすぎず、見事に調和しているのでこちらのほうが更に美しいように思う。

190108 追記
ところでこの白紋が薄くなる型は図鑑にも載ってないしネットにも画像がない。

そのような型がある文献も見当たらない。周りの強力蛾屋に聞いても誰も知らない。

これは下手すると僕が発見者だ。

白紋に霞がかったようなこの型には呼称をつけたい。暫定的に霞紋型とでも呼ぶことにしよう。




180505 追記・削除

種小名は  dilutiapicana (ディルチアピカナ)。ラテン語では追い切れなかった。

日本産は亜種splendidaとされ、ロシアに原名亜種が分布している。

元々は新種として記載されたが、ゲニタリアに差異がないということで亜種に降格した経緯があるようだ。




この原名亜種のことを調べていたのだが、どうにも検索に引っかからない。

これはおかしいと思いロシアのチェックリストList of moths of Russia (Noctuoidea)を見てみると

V.dilutiapicata となっている。

神保博士に確認してみたところ、日本の文献ではV.dilutiapicana となっているが、

タイプ標本ではV.dilutiapicata  となっていることがわかった。

本ブログでは原記載を踏襲し、Valeria dilutiapicata splendida と表記する。







原名亜種の記載者はロシアの昆虫学者、Ivan Nikolayevich Filipjev氏(イワン ニコラエビッチ フィリッピェフ)(1889-1940)だろうか。

原名亜種の産地は沿海州。しかしロシア語でもわからない。

では近隣国の言語を漁る。するとルーマニア語でdiluti=希釈 apic=頂点の という意味だった。

とにかく薄めまくった という意味だろうか?

種小名は  dilutiapicata (ディルチアピカタ)。希薄、という意味があるようだ。

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他にもアカガネヨトウ と名のつく蛾は数種存在する。

以前の分類体系ではすべてヨトウガ亜科に分類されていた。

新体系ではキリガ亜科に分類されているが、このシロモンアカガネだけはモクメキリガ亜科に移されたようだ。


発生は春の短い期間。4月後半から5月初旬にかけて確認している。

埼玉での記録は奥秩父に限られている。


以下記録
Sp5043575
【成虫♂写真】20180503<標高1400m>

Sp5133760
【成虫♂写真】20180512<標高1400m>

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