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【0144】クモマウスグロヤガ
Euxoa ochrogaster rossica

クモマ、という和名は漢字で雲間と書く。

蝶では雲間ツマキチョウ、雲間ベニヒカゲといった高山蝶の和名に使われている。

雲の間に生息する蝶、という意味だろう。


和名だけで心躍らせる「クモマ」の三文字だが、蛾の世界ではこのクモマウスグロヤガ一種だけにつけられている。

それがまたこの種に対する想いを一段と募らせる。 

霧の多い北アルプスの稜線にひっそりと暮らす、そんなイメージを持ってしまう。


だが実際は様々な場所で採れている。

勿論、標高がかなり高めのところでしかお目にかかれないのだが、2000mないといない、というわけでもないようだ。

僕自身は1600mくらいでも見ている。高山蛾、という括りに相当するのかは怪しい部分もある。

しかしその姿はクモマの名にふさわしく、高貴で品のある蛾だと思っている。

S
【成虫写真】20140910 静岡県駿東郡小山町須走<標高1960m>

まさに美しいの一言に尽きる。銀白色に輝くこの蛾を見たときは、ため息しか出なかった。


この夜は複数のクモマウスグロヤガが飛来した。本種は個体変異が多く、一見すると別種に見える。

S_2
【成虫写真】20140910 静岡県駿東郡小山町須走<標高1960m>

一枚目の個体と比べると灰色味が強い。

一枚目をタイプシルバーと形容するならさしずめこの個体はタイプグレーとでも言おうか。

タイプグレーは【ウスグロヤガ】に近いが、一回り小さい。

S_3
【成虫写真】20140910 山梨県南都留郡鳴沢村<標高1660m>

タイプホワイト?と言いたくなるが擦れてこの色になってるのだと思う。

もう少し新鮮なら【ムギヤガ】に似た模様をしていたはずだ。

S_4
【成虫写真】20140910 山梨県南都留郡鳴沢村<標高1660m>

幾分黒味が強いタイプブラック。なかなか渋いタイプだ。


僕はやはりタイプシルバーがお気に入りだ。シルバーが飛来した時はテンションが上がってしまう。

目にする機会が少ないうえ、当たり外れの大きい蛾かもしれない。

しかしロマンを感じるのは得てしてこういった蛾なのである。


日本で記録された当時はE.islandica(イスランディカ)と同定されているのだが
杉繁郎・神保一義,1978. 本州の高山帯に分布するクモマウスグロヤガについて 蛾類通信97:611-616.

学名が変更になっているのを見ると同定しなおされたのだろう。
 

現在の種小名は ochrogaster (オクロガステル) ochroはオクラのことらしい。 gasterは胃。

オクラの胃?ってことは幼虫がオクラを食べつくす勢いで食害するのか。

と思ったら日本での食草はアブラナ科のフジハタザオだという。

ヨーロッパでオオバコ、アイスランドでトクサ。

名義タイプ亜種が北アメリカなのでそちらはオクラ食いなのだろうか。



埼玉でも一例だけ記録がある。(三国峠)


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