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2016年6月

【0192】ベニスズメ
Deilephila elpenor lewisii

ピンクである。桃色とか生易しい表現ではない。ドピンクの蛾である。

こんな色彩の蛾が日本にいること自体が信じられない。日本の虫と言えば地味という印象が強い。

こんな南国仕様の蛾がソコソコの大きさでそこらにいるというのだからわからないものだ。


わりと都市部でも見られる蛾で、人の目には良く目立つ。見たことがある人も多いのではないだろうか。

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【成虫♂写真】20160604 山梨県南都留郡富士河口湖町<標高970m> 

表から見るとカモフラージュしてるつもりなのか薄く緑色が入る。

しかし裏面はまさにドピンクである。もう逃げも隠れもしない。オレを見ろ!と言わんばかりのピンクだ。

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同上個体


このベニスズメ、華やかな色をしてるわりに、あまり花の蜜を吸いに来ない。

いつも樹液で食事中なのを見かけるのだ。もっと昼に飛んで花の蜜吸ってれば人気があったと思う。

S
【成虫♂写真】20160528 埼玉県さいたま市桜区<標高5m>

吸蜜中はストロボの光が嫌いなようで、一枚撮るともういなくなっていることが多い。撮影者泣かせの蛾だ。

しかし白色光でなければ平気なようで、昼光色を照らしつつピントを追い込んで撮影することも可能だ。

上の画像はマクロレンズを使いワンショットで撮ったものである。我ながらよく撮れたもんだ。


幼虫は多岐にわたる草本を寄主植物として育ち、成虫は4月から9月ごろまで見ることができる。


種小名は elpenor (エルペノル)。 検索すると人の名前で使われているようだ。

ケルベロスとかの神話に出てくるっぽいけど相関性は不明。


埼玉では平地から山地まで幅広く記録があり、普遍的に生息しているようだ。


【0191】ニッコウアオケンモン
Nacna malachitis

6~9月の夏季に出現する小さく美しいケンモンヤガの仲間である。以前はニッコウアオモンという和名であった。

20mmほどの小さな前翅に施された美しい緑色のグラデーションは見る者を虜にする。

その模様が自然界においては優れたカモフラージュとなり、捕食者の目を逸らす効果があると思われる。


似た種に【スギタニアオケンモン】がいるが、そちらは茶色の部分が横にしか走らない。

翅を閉じた時に重なる部分=後縁においても緑色なのが特徴である。

しかしこの美しい緑色は、標本にして時が経つと色褪せてしまうことが多い。

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20160604 山梨県南都留郡富士河口湖町<標高970m> 

幼虫はシソ科のニガクサとクロバナヒキオコシという聞きなれない植物での記録がある。


種小名は malachitis (マラチティス)。 これはマラカイト(孔雀石)のことではないだろうか?

美しい翡翠色が共通しているので間違いないと思う。


埼玉県での記録は多いが、やはり県西部での記録が多い。

しかし一件だけ浦和市の記録もあり、自然度の高さに左右されることのない蛾であるようだ。

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