【0191】ニッコウアオケンモン
Nacna malachitis
6~9月の夏季に出現する小さく美しいケンモンヤガの仲間である。以前はニッコウアオモンという和名であった。
20mmほどの小さな前翅に施された美しい緑色のグラデーションは見る者を虜にする。
その模様が自然界においては優れたカモフラージュとなり、捕食者の目を逸らす効果があると思われる。
似た種に【スギタニアオケンモン】がいるが、そちらは茶色の部分が横にしか走らない。
翅を閉じた時に重なる部分=後縁においても緑色なのが特徴である。
しかしこの美しい緑色は、標本にして時が経つと色褪せてしまうことが多い。
20160604 山梨県南都留郡富士河口湖町<標高970m>
幼虫はシソ科のニガクサとクロバナヒキオコシという聞きなれない植物での記録がある。
種小名は malachitis (マラチティス)。 これはマラカイト(孔雀石)のことではないだろうか?
美しい翡翠色が共通しているので間違いないと思う。
埼玉県での記録は多いが、やはり県西部での記録が多い。
しかし一件だけ浦和市の記録もあり、自然度の高さに左右されることのない蛾であるようだ。